2012年1月3日火曜日

水晶

シュティフター『水晶』(手塚富雄・藤村宏訳、岩波文庫)読了。普通の人々がそのそれぞれの環境の中で普通の生活を営んでいる、それが尊い。この態度はジャン・ジオノにも共通する。そして我らがデオダ・ド・セヴラックにも。これを小市民的であるとか、ビーダーマイヤーだと言って非難するのもあるだろう。しかし、ますます実感するのだ、普通が一番だと。というよりも普通というのがいかに難しいものであるかと。何もないこと。ほとんど何もないこと。おお、リュック・フェラーリ。彼もまた同じことを考えていたのではないだろうか。シュティフターを晩年のシューマンが非常に好んでいたのもよくわかる。シュティフターはまた画家でもあった。下はその作品。
ウィーン郊外の家々Wiener Vorstadthäuser