2015年3月22日日曜日

私たちは何を録音してきたのか

一昨日20日に、神戸大学で催された国際シンポジウム「私たちは何を録音してきたのか:古音源の保存と活用」を聞きに行ってきた。主催は2014年度神戸大学国際文化学研究推進センター研究プロジェクト「日本研究の文化資源学」寺内直子教授。報告者は国立国会図書館の奥村さやかさん、フランス国立図書館パスカル・コルドレクスさん、日本伝統文化振興財団の藤本草さん、京都市立芸術大学の大西秀紀さん、フランス東アジア文明研究センターの鈴木聖子さん。古い音源の話はそれ自体とても面白い。また各人がそれを、すごくほとんどフェティッシュ的に好んでいるのが伝わってきて、面白い。ぼくの個人的には、フランスの録音の歴史が、同時代の音楽史と余り関わっていないところに、不思議な感じをいだいた。パスカルさんと、会後にその件について少し話したが、ユベール・ペルノーが録音したギリシャ民謡を、ポール・ル・フレムやラヴェルが聴いて和声付けをした、しかしそれぐらいしか関わりがない、という話。ハンガリーにはバルトークが、イギリスにはグレンジャーがいて、民謡を録音し、自分たちの音楽にまで発展させているが、フランスには似た話はないのである。でも民謡収集はさかんだったのだが。