2019年3月29日金曜日

井口淳子『亡命者たちの上海楽壇』

井口先生新著(井口淳子『亡命者たちの上海楽壇)読了。とても面白かった。上海は、富永太郎がわざわざフランス語を学ぶため(?)に行っていて、不思議に思っていたのだが、当時の日本人にとっては隣の国にあるヨーロッパだったわけだ。フランス語新聞がこれほどきちんと発行されていたとは知らなかった。そこで音楽評論を書いていたというグロボワなる人物に興味を持ってちょっとネット検索してみたが、春画にかんする本の著者としてたくさん出て来る。徒然草の翻訳などもあるようで、日本語ができたのだろうか。フランス側からの資料など探ると面白いことが出て来そうである。ロシア側の探索などもこれからどんどん行われるだろうし、非常に興味深い領域がこれから開かれて来るのを垣間見せてもらった快い興奮がある。
ちなみにこんなものもあった:
http://cths.fr/an/savant.php?id=104652#