2011年8月29日月曜日

オクタビオ・パス

オクタビオ・パス『弓と竪琴』(牛島信明訳、岩波文庫)読了。「真の生は、……最も些細なことをも含めて、われわれの行為のすべてに見られる、〈他者性〉のきらめきの認識である。」「われわれの日々の行為によって織りなされた体験である〈他者性〉は、何よりもまず、われわれはわれわれ自身であり続けながら他者であること、またわれわれが今いる場所にいつづけながらも、われわれの真の存在は他の場所にあることの同時認識である。われわれは他の場所なのである。つまりわたしが、今しもここで、これを、あるいはあれをしながら、他の場所にいることを意味する。また、わたしは、常にここであるどこか知らぬ場所で、孤独であり、君と一緒にいる。ここで君と一緒にいるのだ。」(448〜450頁)パスは十字架の聖ヨハネの「沈黙の音楽」の語を引用している。モンポウはパスを読んでいただろうか?