2014年5月31日土曜日

カタロニア讃歌ほか

ジョージ・オーウェル『カタロニア讃歌』(都築忠七訳、岩波文庫)、ジャン=ジャック・ナティエ『レヴィ=ストロースと音楽』(添田里子訳、アルテスパブリッシング)、ルイージ・ケルビーニ『対位法とフーガ講座』(小鍛冶邦隆訳、アルテスパブリッシグ)を読む。後二者は仕事。オーウェルの書は複雑な内戦時のバルセロナの状況をわからせてくれる、そして何故フランコが勝利したかも。
ここに忘れないようにいくつかの勢力の説明を書いておこう。
POUM : Partido Obrero de Unificación Marxista (マルクス主義統一労働者党):オーウェルがそのもとで戦った(しかし入党はしなかった)陣営。イギリスのILPと近くそこから彼は派遣された。トロツキスト、あるいはファシストとさえ看做され、共産党陣営から迫害される。CNTともUGTとも繋がるが、影響力のあったのは前者。レリダが本拠地。
PSUC : Partido Socialista Unificado de Cataluña (カタロニア統一社会党):共産党の支配下にあり、第3インターナショナルに参加。ソ連と繋がっている。奇妙なことに反革命であった。バルセロナが本拠地。
UGT : Unión General de Trabajadores (労働者総連合):社会党・共産党系。PSUCの基盤。組合員数150万。小ブルジョア&労働者。
CNT : Confederación Nacional del Trabajo (全国労働連盟):アナキスト系。労働者・農民が多い。組合員数200万。
FAI : Federación Anarquista Ibérica (イベリア・アナキスト連盟):CNTと一緒に論じられる場合が多い。
しかし、細かく見て行くと、上述に矛盾するところもあり、かなり混乱している状況であったことは確かだ。19世紀から続くバルセロナの労働運動の歴史が負の方向に作用したと見ることもできよう。