2011年1月19日水曜日

不良債権

『思想』に載せた「シューマンの晩年様式」を「不良債権」だと貶めている者がいるらしい。ようは、引用が孫引きである(ダヴェリオがドイツ語文献を参照しているところを引用している)ということで非難しているのだ。比喩に対して比喩で返させて頂けば、ぼくの書いたものは「換金」できるような「債権」などではない、そんなお手軽に稼ぐことなどできないのだ、と言おう。調べたいのなら、十分な手がかりは註で与えているのだから御自分で調べなさい、おんぶにだっこはだめよ、ということ。さらに言わせてもらえば、もしもぼくが「不誠実な」者であったとしたら、それがいわゆる孫引きであることなど隠すことは朝飯前の技であったはずだ。ぼくは英語や仏語なら日に100頁だって軽く読むことはできるが、独語はそうはいかない。いきおい英語文献に頼ることになる。だからいつも言っているのだ、ドイツ語が日に100頁読める人間こそが、例えばシューマンなりなんなりについて、ぼくがやっているようなこと(いやいやもちろんそれ以上のこと)をきちんとやるべきなのだと。それを「英語至上主義」などと解釈するのはものごとの本質を見誤ることおびただしい。(我を学内随一の「英語主義反対者」と知っての狼藉か!w)