2012年10月18日木曜日

ダンディのベートーヴェン

ヴアンサン・ダンデイ『ベートーヴェン』(冨士原清一訳、新太陽社、昭和18年!)読了。以前に手に入れておいたもの。ダンディの反ユダヤ主義とか、王統派思想がよく現れている。まあ、ベートーヴェン(とワーグナー)への帰依もあるけどね。面白かったのは、106頁の注で「audition colorée」という言葉が訳者には、わからなかったのだろう、「音波を色彩に還元する実験会のことか?」と書いている。これは、いわゆる「色聴」のことだろう。ダンディも「synesthésie」という言葉は知らなかった(まだなかった?)と見える。そして、昭和18年の段階では、日本にはそんな言葉(概念も)なかったらしい。(今、ちょっとプチ・ロベールを引いたら、1872年には使用例があるらしい。ということは、ダンディの不勉強!ですな。『ベートーヴェン』の原著は1913年の出版である。)