これは、ダニエル・シャルルが日本に来た時に、一緒に銀座のヤマハに行った時の写真である。もう20年前くらいになるだろうか。そして、なんと、この写真を撮ったのは大里さんである。この時に、DCがシベリウスについての英語の本を買っていたのを見て、大里さんとなんでこんな時代遅れの作曲家の本を?と訊いたら、シベリウスこそ今、新しいのだ、というようなことを言っていて、なるほど、と思ったりしたのだった。この時は、彼は国立音大で講演をして、その通訳が庄野進さんで、途中で(ちょうど「ストラトス」についての彼一流のシャレを言っていた)訳がわからなくなって、客席に助けを求めたりしていた。よっぽど何か言おうかと思ったが、当時はシャイだったのでそんなことできなかった。この銀座散歩のときは、大里さんとぼくがお供をして、ちょっと小腹がすいたとか言って、銀座の喫茶店(中村屋パーラー?)で、赤ワイン一本と少々のチーズを全部たいらげてしまっていたのには、大里さんと一緒に、驚いた覚えがある。