エミール・マール『ヨーロッパのキリスト教美術(上下巻)』(柳宗玄・荒木成子訳、岩波文庫)読了。図版がたくさんあってとても楽しめた。それぞれ別々に切り離されて見て来たキリスト教美術が、一直線に歴史的に説明されていて関連づけられた。聖母マリアや諸聖人、もちろんイエスもそうだが、それらの像に人々の深い信仰心が表されているのがよくわかる。1599年に偶然発見された、聖チェチーリアの遺骸が、232年の殉教時そのままであった、という話には驚いた。トラステーヴェレに今でもあるのだろうか。だいいち彼女は「音楽」の守護神ではないか。