2014年12月19日金曜日

というわけで

木村敏『あいだと生命』(創元社)とアンナ・マグダレーナ・バッハ『バッハの思い出』(山下肇訳、講談社学術文庫)を読んだのだった。統合失調症が18世紀末から20世紀末頃までの病らしい(86頁)という指摘は、まさに、ぼくが『狂気の西洋音楽史』で論じた論点と重なるのでとても興味深かった。近代的な音楽的意味の成立と発展、そしてその崩壊の歴史がまさに、その時代である。『バッハの思い出』は偽書であることを知らずに読んだ。しかし、このような伝記の在り方も「あり」かとも思う。(まあ、小説ですが。)