2015年12月22日火曜日

奈良ゆみソプラノリサイタル@フェニックス

昨夜のゆみさんのリサイタルについて。
松平とメシアン、「愛はどのように響くのだろうか」と題され歌われる。
松平もメシアンも音楽の作りは、一本のメロディーから成っているヘテロフォニーと感じられる。松平の場合は、そこに多数の装飾音がつく。メシアンの場合は、そのメロディーに暖かい和音がついていて、そこにさまざまな付加音や鳥の歌がからまる。そして、ジェイのピアノはそのメロディーを朗々と歌い、ゆみのソプラノもまさに百花繚乱と歌うのだが、そこに微妙だったり豊かな音色の差異があって、ジェイのピアノとゆみの声が絡まりあって、飛んでいくという感がある。まさに比翼の鳥、愛の象徴だ。圧巻は「階段」の章だった。このescalierというのは、カトリック的には「はしご(ヤコブの)」ではなかろうか。天上の神まで昇っていくのである。昇っていった天上の plateau が最後の曲なのだ。