この音楽は4つの部分から出来ていて、
(1)ホ短調
(2)嬰ヘ短調
(3)ホ短調
(4)ホ短調
となっている。(2)と(3)の部分が問題の箇所であるが、よく考えてみると、それぞれはきちんとII7 - V7 - I となっている。ただし、II7 は第1転回形なので、(2)の場合はバスが、昨日述べたように、ロ音になっている。なので、(1)の終わりの和音である「h - dis - fis」の長和音から、短和音の六の和音「h - d - fis -gis」になったような気がする(気がするのではなくて、実際にそうである)。この長調から短調への「落差」(半音落ちる)が問題なのだろう。
そして(2)から(3)への移行も、「fis - a - cis」から「fis - a - c - e」(これも第1転回形でバスがイ音)なので、ここにも半音の「落差」(嬰ハから本位ハ)がある。
これが「ハッと」させるのである。