2012年5月13日日曜日

琵琶プラス

昨日は朝から子どもたち3人(大ちゃんと芦屋駅で待ち合わせ)連れて、まず病院でいづみの血液検査。その後、みなで須磨浦の園遊会。二時半に終わり、家人が後片付け手伝いの間、兵庫駅で子どもたちをおばあちゃんに渡す。そして夜は毎年恒例、ギニャール先生の「琵琶プラス」。今年は尼崎大覚寺。寺町というのは初めて行ったが、風情のある不思議な空間。

寺には能舞台があり、そこで今回は「夢に生き……」という題の琵琶と謡、仕舞のコラボ。ギニャール旭西(筑前琵琶・楽琵琶)、梅若善久(観世流シテ方)、山中雅志(観世流シテ方)、上田敦史(大倉流小鼓方)、高橋奈王子(大倉流小鼓方)で、楽琵琶秘曲『流泉』に始まり、『厳島の戦い』、謡曲『田村』、『実朝公』。最後はギニャール先生新作『玄象の物語』。最後の曲は、書家の田邊柳奨の書が入った屏風の前での演奏。
琵琶あり、謡あり、仕舞ありで琵琶の名器「玄象」をめぐって藤原師長と村上帝(の亡霊)とのいきさつが語られる一編の夢幻劇である。素晴らしい。その舞台が須磨浦であり、ちょうど朝から昼にかけてそこにいた身としては、なんだか genius loci に取り憑かれたようだった。関西にはこんな土地の精霊がうようよいる。帰りがけに打出フェリーチェで遅い夕食。