2012年9月28日金曜日
ピアニストの系譜
真嶋雄大『ピアニストの系譜 — その血脈を追う』(音楽之友社)読了。何か教えられるところがあるかと思って読んだのだが、どうもこの本の記述は客観的な事実なのか、筆者の思い入れなのか、曖昧なところが多すぎる。人名の読みの間違い(ジャック・ファブリエではありません!そんなファブリーズみたいな名前ではなく、フェブリエです。ソブラジとか、ヴァイオリストとかはご愛嬌?)とか事実誤認(ヴァレーズがピアニスト?)もあり、しかも全く参考文献がない!まあ、著者もしっかりした学問的研究を狙っているわけでもなさそうだから、それでいいと言えばいいのかも知れないが、でもなあ……。単なる音楽読み物とか、そういうものかな。でも、こういうものを読んで、日本の読者たちに片寄った偏見が植え付けられなければよいが(「民族」とか「血統」とかは最重要だ、とか)。PS:個人的には、マリー・ジャエルのこととかがわかるかな、と思ったのでした。全く言及なし。よく考えたら、シャミナードのことだって何にも書いてないぞ。もっと言えば、グレインジャーも丸無視!