2012年10月14日日曜日
山は山、川は川
今回の『ユリイカ』ケージ特集号に「山は山、川は川」という文章を寄稿したのだが、全くその意味が理解されないので、あきれている次第。《4分33秒》の持つ意味など、もうあらかた論じ尽くしているのではなかったのか。禅でもいいし、ダダでもいいし、アクションペインティングでもいいし、プロセスとしての音楽でもいいし、うんぬんかんぬん。と言っても……、先日の京都コンサートホールでのコンサートでも話をしたのだが、ケージ自身が強調していたことは「必ずここには複数の人間がいることが前提」ということだ。その時も言ったけれど、この曲は一人静かに自宅で楽しむ(そんなやつがいるとして)ものではなくて、華麗なる「コンサートピース」なのである(微苦笑)。ああ、そうそう、タイトルはケージの好きな大拙先生のお言葉です。少しだけ足が地面から浮いている……、まあ、でもそれが誰にも気付かれないところがよいのだ、として以て瞑することにしようか。