2013年6月28日金曜日

Rousseau, Les Rêveries du Promeneur solitaire

Jean-Jacques Rousseau, Les Rêveries du Promeneur solitaire, Gallimard (Folio Classique), 1972. 読了。ジオノの本と一緒に買ったのだが、図らずも自然についての人間の態度という構図で一致。しかし、ルソーという人は、どこまでもエゴティスト(エゴイストじゃないよ)であったと実感。でも共感するところ(孤独について、自足するべし、などなど)も多し。たくさん付録が付いていてよかった。特に、ベルナルダン・ド・サン=ピエールが描いたルソーは面白かった。また、昨日はサバルのリュリを聴いたので、ここにも一種の暗合を感じる。18世紀ですなあ……。

Jordi Savall

ゆうべは、アウディトリにジョルディ・サバル(サバイというのがカタラン語の発音らしい)の演奏会「マニフィカートとユビラーテ」を聴きに行った。カタルーニャ王立合唱団 La Capella Reial de Catalunya の25周年記念の一連のコンサート「El So Original」の最後ということ。演奏は、合唱団とコンセール・デ・ナシオン、そしてサバルのやっている音楽アカデミーの優秀者たちが独唱であった。9時から始まって、11時半に終わるというプログラムで、リュリ《ユビラーテ・デオ》LWV77/16、バッハ《管弦楽組曲第3番》の序曲、ヘンデル《ユビラーテ・デオ》HWV279、休憩があって、バッハ《管弦楽組曲第3番》のアリア、ヴィヴァルディ《マニフィカート》RV610-1st ver.、バッハ《マニフィカート》BWV243であった。何と盛りだくさん!何と素晴らしい演奏!正確、繊細かつ感情豊かで、フォルテの箇所でも決して音が濁らない。極上の瞬間である。以前にパリで聴いた時より、サバルの解釈は単純になり、簡素になり、しかし説得力を増した。

2013年6月26日水曜日

La Sagrada Família

なんとバルセロナに来てほぼ3ヶ月目にしてやっと本日サグラダ・ファミリアに行きました。キッチュだの何だのと批判もあるようですが(ピカソは大嫌いだった ― ガウディ本人も ― らしい)、それにもかかわらず(今まではそれでちょっと敬遠でもあった ― 並ぶし)、やはり素晴らしい。荘厳とか、そう言うのと違って、明るい。しかしまた、すごい異様さである。でも暖かい。「人々のための聖堂」というのがよくわかる。中はまさしく深い森林のよう。
ステンドグラスとオルガン。


そして、ガウディ生前に唯一完成していた生誕のファサード。繁茂する植物の中にイエス生誕の物語が語られる。



下の方には、亀もカエルもいます。

そして、後から知ったのだが、なんと今日はガウディの誕生日だった!

2013年6月25日火曜日

スペイン村

というわけで、今日は休日なので、モンジュイックの麓にあるスペイン村 Poble Espanyol に行って来た。スペイン各地の典型的建築が原寸大で再現されている村である。人も少なくなかなかよかった。特にロマネスク修道院のあたりは、バルセロナ市内を見渡す高台にあって、そのちょっと上には(まだ成育中の)地中海農園(?)もあり、ゆっくりできました。



Sant Joan

今日24日はサン・フアン(サン・ジョアン)の祝日である。夏の始まりと言うことらしい。昨夜の晩は真夜中過ぎまで花火や爆竹がものすごかった。何しろ、この頃になるとあちこちで下のような「爆竹屋」(それも市営?)が出て、老若男女が買うのである。

そして、伝統的にこの晩にはコカという菓子パンを食べ、カバ(カタルーニャのシャンペン)を飲む。コカはこんなのでした、入れ物がおしゃれだね。

サン・ホアンとはバプテズマのヨハネのことだという。町内の祭りもあり、この間のサン・ジョルディの日も祭りの場所であった近所のサン・ラモン・ノナット教会の前の通りでは、コカ祭り(?)やバンドなども出ていた。

2013年6月20日木曜日

ブルース・ウィリス

ここバルセロナのマンションに住むようになって、まず電話を引くことから始まって、いろいろな故障もあり、たくさんの職人さんにお世話になりました。ところで、そのような「よくできる」バルセロナの技術者さんたちの共通の特徴に気付いたのでした:それは……、みながみな、ブルース・ウィリス「くりそつ」ということなのです。電話屋さん、屋内の照明を直しに来た電気屋さん、食洗機を修理に来た技術屋さん、戸棚の把っ手を直しに来た家具屋さん……、みんな。なぜでしょう?(下の写真はウィキメディア・コモンズから。)

2013年6月17日月曜日

Caixa Forum

スペイン広場にあるカイシャ・フォーラムに「ジャポニスム展」を見に行って来た。マルコ・ポーロの日記から始まって、実にたくさんの展示。天正少年使節を迎えるスペイン国王の絵や、長崎26聖人殉教の油絵もあった。そして、パリに勝るとも劣らないバルセロナのジャポニスムの物品の数々、絵画、彫刻、版画、書籍、家具、また多くのコレクション。バルセロナ侮り難し(笑)。モンポウの蔵書の中にもかなりの数の日本芸術に関する本があったが、このあたりにも関係がありそうだね。これは展示の一部。彩色写真ですね。

そして、売店で面白いCDを発見し、購入。RZというドイツのレーベルのものが結構あり、そのヌオヴァ・コンソナンツァのものとシェルジ(平山美智子さんが歌っておられます)のもの、そして他にフランシス・ピカビアの「アメリカの乳母」というCD(まだ聴いていないが、朗読?インタビュー?)。そして、パスカル・コムラードの2006年のアルバム(Espontex Sinfonia と題されているがバルセロナで出ている)と Putumayo World Music というところのフレンチ・カリビアン・アルバム。

2013年6月13日木曜日

ラローチャとアドルフ・プラ

一昨日はアリシア・トーラさんの自宅、すなわちアリシア・デ・ラローチャの旧宅にお邪魔して、またいろいろと資料を見せてもらったりした。高級住宅街のマンション最上階全体を占めていて、さまざまな本、レコード、トロフィー(&子犬が一匹)などなどに囲まれて、専門家二人と大量の資料整理の仕事を続けているそうだ。《イベリア》についての博士論文を書いているという学生さんも一人いた。そして、今日はやっとアドルフ・プラ氏と連絡がついて、彼がもう一人の映像作家と一緒にアウディトリで開催しているモンポウとガウディについての「光の音」という展覧会を案内してもらった。そのポスターになっているのが例のサグラダ・ファミリアの前でポーズするモンポウである。
プラ氏のモンポウ解釈は、なかなか面白く、共感する点も多々あり、これについては、彼の書いたテクスト中心の展覧会カタログを買ったので、これを読んでまた考えてみようと思う。彼はまたモンポウのピアノ曲全集もCDで出しているピアニストでもある。(そして、コルテスさんのもとで博士論文を執筆中の学生でもある!)

2013年6月11日火曜日

Jean Giono, L'homme qui plantait des arbres

Jean Giono, L'homme qui plantait des arbres, Écrire la nature, folioplus classique, Gallimard, 1983. 読了。中学高校向きの参考書だけれど、けっこううまく出来ている。アンソロジー部分で勉強になった。

2013年6月10日月曜日

セルバンテス公園

家から歩いて20分くらいのところにあるセルバンテス公園に行った。ここはバラ園で有名とのことで、確かにきれいな花がたくさん咲いていた。



バラ以外にも多くの植物があって、例えばこれはとっても香りのいいラヴェンダー。
すぐそばには、大きいマリーローズもあった。

こんな現代彫刻もある。
そして、これは最初はアーモンドの実かなあ、と思ったけれど、ちょっと大きすぎる感じ。何の実なのだろうか。
ところで、昨日は鈴木羊子さんのピアノを初めて聴いた。エスパーニャ広場の元闘牛場がショッピングセンターになっていて、その中にFNACが入っているのだが、そこの小スペースで、子どものピアノ発表会があり(鈴木さんの元勤め先の子らとのこと)、その最後に「模範演奏」ということで。モンポウ《歌と踊り》(何番かな、昔のスペイン国王の歌のやつ)、モンサルバッチェ《イヴェットのためのソナチネ》、グラナドス《演奏会用アレグロ》、そしてアンコールに……ええとあれはグラナドスだったか、アルベニスだったか。しかし、がさがさしたところで、鳴らないピアノを弾かされて、ちょっと可哀想であった。

2013年6月9日日曜日

La Musique et Federico Mompou

モンポウ財団から借りたロジェ・プレヴェルの本を読み終わった(Roger Prevel, La Musique et Federico Mompou, Editions Ariana, Genève, 1976.)。著者はモンポウと昔からの長い付き合いであったらしい。奥さんがカタラン人で、バルセロナと南仏(だったかな?)を頻繁に行き来しており、ごく最近亡くなったとか。この本そのものはカルメン・ブラボさんのものだったとかで、表紙見返しに「要返却」と書いたポストイットが貼ってあった。まさしくモンポウと本当に親しく付き合った人の著書という感じで、これまで読んで来たものとは全く異なった風合いのものだった。またその間にカルロス・ルイス・サフォン『天使のゲーム』(木村裕美訳、集英社文庫)も読了。前作『風の影』よりもミステリーっぽい。その分、リアルさが薄れているとも言えるか。バルセロナの観光大使みたいなところもあり。まあ、しかしそんなこと言っても、とてもうまく書けていますけどね。読ませます。おお、それからこの間アカデミア・マーシャルに行ったときに貰った創立100周年記念の冊子 Acadèmia Granados-Marshall: 100 anys d'escola pianística a Barcelona も読んだ(これはカタラン語、スペイン語、英語の三か国版なのだった)。そこでちゃんと知ったのだが、アリシア・デ・ラローチャはここで教えていたどころの騒ぎではなくて、1959年から2001年まで学長(というかこの冊子が2001年刊なので恐らくその後も)であったのですね。失礼しました。そしてその娘さんは事務長みたいなもの("direcció diària")をやっているらしい。

2013年6月6日木曜日

アカデミア・マーシャル

グラナドスが創設し、弟子のフランク・マーシャルが引き継いだアカデミア・マーシャルに行って来た。アリシア・デ・ラローチャ女史が教鞭を執っていたことでも有名だが、昨日はその娘さんの案内で。アカデミアはごく普通の建物の中にある。


入り口を入ると玄関ホールのようになっていて、さまざまな肖像や写真などがある。

グラナドスの写真も見えますね。
左側にはちょっとしたホールがあって、そこにファリャがクラヴサンのための協奏曲を書いていた時に弾いたという楽器があった。
大中小いくつかの部屋が教室として使われていて、それぞれに作曲家の名前がついている。もちろん「モンポウ」の部屋もあった。

2013年6月2日日曜日

日本人学校運動会

昨日は一日、バルセロナ日本人学校の運動会だった。小学校と中学校合同で、それでも生徒数は6、70人なのだが、補習校(ハーフの子などが週に一度日本語の学習をする)の生徒も含めると150人くらいになって、けっこう盛況であった。子どもたちが貰った参加賞は、校章のキーホルダー+カタルーニャの旗(&あめ)。