寺内大輔『音楽の話をしよう』(ふくろう出版)を読んだ。「10代のための音楽講座」と副題があるが、これを中高の教科書に使ったらすごくいいだろうと思った。非常にアクチュアルな音楽の問題がほぼもれなく扱われている。ただ、やはり一番難しいのは「音」と「音楽」の差異だろう。音だけでは音楽にはならない。もしも両者が同じであれば、ちがう言葉の存在する意味がない。ある音を「音楽」として聴いたらそれが音楽だ、というような定義もあるよう(それが示唆されているよう)だが、これは「音楽」は音楽だという同語反復になってしまう。(リュック・フェラーリの好きなトートロジーですな。)さて、どう思いますか?