根来章子「デオダ・ド・セヴラックにおける「地域主義」と「エグゾティスム」の交錯」を読んだ。régionalisme を今まで「地方主義」と訳していたが、確かに「地域主義」の方が適切だろうし、フランス史などでそのように訳されているらしい。不勉強であった。しかし、フランスの「地域主義」理解の難しいところは、ナショナリズムと反中央(反パリ、反中央政府)が結びついているところだろう。ダンディなどは、そこにさらにヴァーグナー崇拝が絡んでくる。どうも『作曲法講義』などでは、フランスの劇音楽や宗教曲などは過小評価されているらしい。前者はドイツ・オペラの陰、後者はイタリアの宗教曲の陰に追いやられてしまっている。(これを「ダンディは様々な矛盾を裡に孕んだ人物なのだ」と評価する ー それで済ましてしまう ー というのもある。)セヴラックも、心情的には別にフランス国家に忠誠を誓おうなどとは思っていなかっただろう(第一次大戦に一兵士として ー 積極的に ー 参加したとしても)。むしろ、彼の身近のラングドックや「セルダーニャ」への想いの方が強かったように見える。この辺りの複雑な事情はきちんと明らかにする必要がありそうだ。
また、根来氏は、ダールハウスの論については言及していないが、彼は19世紀後半のナショナリズムに基づくいわゆる「国民楽派」的な運動が、前衛芸術の運動と容易に結びつくことを指摘している。つまり、伝統的な音楽語法をくつがえすのに、民族的な(民俗的な)要素をもってすることで、いたずらな「難解な前衛」拒否の感情を融和することができる。(そして同様のことはエグゾティスムについても言える。)
2010年2月16日火曜日
2010年2月15日月曜日
2010年2月13日土曜日
書類に手紙
昨年12月のパリ大学客員教授招聘は、(貧乏なフランスの大学の常として)ギャランティーはぎりぎりで旅費など出なかったので、同志社女子大の在外研究補助金を貰ったが、そのためには報告書と計算書を書かなければならず、それを今日やっと完成。ついでに、来夏のソウルでの国際比較文学会の発表に補助金を貰うため、これも申請書を作成。しかし、半年も先の話なのだが……。そして、セヴラックの翻訳を出したので、ギヨー先生とブラック=ベレール夫人に送るためにそれぞれに手紙をしたためた。お二人とも、お会いした時に撮った写真を送ったら、丁寧なお礼状をくれていて、これは correspondance を続けるにも、いい機会である。
Roussel
ルーセルの《プレリュードとフーガ》を弾いてみた。しかし、セヴラックと同級生なのに、この無調への傾きは何なのか?フーガは「バッハの名による」ということで、半音階的なのはわかるけれども。確かに、以前から《組曲》やら何やらで「変だ」とは思っていたが。これはどこから来るのだろう。対位法的なテクスチュアはダンディーの教育からか?(昔読んだ音楽辞典の記述にルーセルは線的な印象主義者だとあったのを思い出す。)リュック・フェラーリが若い頃に金持ちのサロンでピアノを弾いていたという話の中に、あるときルーセルを弾いて、これが限界だなと感じた、とあるが、まさしくその通りだろう。そして、ヴァレーズの最初の先生がルーセルであったというのも、うなずける話だ。フランスで《パドマヴァーティ》の全曲レコードを買って、ほおってあるのだが、きちんと聴いてみないといけないな、と思うのでした。しかし、彼の歌曲全集のCDというものもあるぞ。これは、東大の松村君の当時の彼女がソプラノで、一緒に聴いた覚えがある(とても録音レヴェルが低くてみんなで文句を言ったものだ)。彼女の名前は失念したが、新潟出身でその上父親が教育関係というので、大里さんの父親と知り合いだったりして、これもまた「世界は狭い」という一例である。
2010年2月12日金曜日
D'Indy
Séverac のことを書くのには、彼の師匠である D'Indy についても、よく知っておく必要があると思い、Vincent d'Indy et son temps (Mardaga, 2006) を読みつつある。その中で、反ユダヤ主義者としての論文があり、そのことはまあ知られていると思うが、そこに、『アクシオン・フランセーズ』の音楽批評担当のオーギュスト・セリユーが「彼の知人」として言及されていた。しかし、セリユー(Sérieyx)は彼の「弟子」であったはず。そして、ダンディの『作曲法講義』の第3巻が彼の女婿であるリオンクールの編集としてあるが、これもセリユーの編集だったような気がするのだが……。要確認である。
2010年2月11日木曜日
成績
昨日、締め切りぎりぎりで卒業年次生の成績をつけ終わり、教務課へ。教職オリエンテーションと重なって大変(ぼくは責任者なので、いちおう挨拶などしなければならない)。今日は、ゆみさんとセヴラックの練習。
2010年2月8日月曜日
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