2011年7月1日金曜日

エックハルト

トマス・ア・ケンピスを読んでいて、「キリストにならって」いろいろと苦難に耐え、身をつつましく維持しなければならない、その方が神によって良しとされるからだ、という論理がちょっと気になった。こういう考えに対して、エックハルトははっきりと「それは商人である」と言い切って、否定している。自分の苦難と神から与えられる幸せを「取り引き」しているのだ、と。しかし、トマスの方が100年くらい後の時代の人なのだが……。エックハルトは死後すぐに「異端」として断罪された、というが、こうして彼の影響は無くなってしまったのだろう。残念だ。絶対、トマスよりエックハルトの方が正しいと思う。ニーチェはエックハルトを知っていたのだろうか?