2011年7月23日土曜日
M・エックハルト『神の慰めの書』
M・エックハルト『神の慰めの書』(相原信作訳、講談社学術文庫)読了。岩波文庫の説教と重なる部分多し。しかし、相原氏の訳は重厚で、時に時代がかってはいるが、熱がこもっており、味わいがある。「神と取引をする者たち」の話はここにも出ていた。そして、もう一つ心に残ったもの。「神の慰めは純粋であって、何の欠陥もなく完璧であり完全である。実に彼にとってはお前に向かって与え恵むことは必然のことであり、彼は待ちきれないで自分から先回りをして自分自身をお前に与えずにはいられないのである」。私はどんなに小さなものでも喜びを感じるところ、そのようなあらゆるところに「神」と出会う。彼の、彼女の、あれの、これの、本当の姿は実は「神」であった。これがスピノザの言う「神」ではないだろうか?