2013年5月30日木曜日

モンポウ財団

というわけで、モンポウ財団に借りていた本を返しに行った。ついでに財団があるモンポウの住んでいたピソの写真を撮らせてもらった。
グラシア通りに面した窓。その反対側はこう。
壁には大きなモンポウの肖像画。
そして次のスペースにはピアノと本棚が。
彼がどのような本を読んでいたのかを知りたくて、そこここにある書棚の本の写真を撮った。モンポウは頭痛に悩まされ、また神経的なものもあり、心理学や精神分析の本まで読んでいたと言う。そして、また今回もベルタさんがいろいろな資料を貸してくれた。それを渡しながら彼女は「ここに来るたびに宿題が出ますね」と言って笑った。

2013年5月29日水曜日

粋と情熱

上原由記音『粋と情熱:スペイン・ピアノ作品への招待』(濱田滋郎監修、ショパン)読了。これはモンポウ財団から借りたもの。今日これから返しに行く。アルベニス、グラナドス、ファリャ、トゥリーナ、モンポウ、そしてその他の作曲家について、その生涯とピアノ作品解説、演奏法など。最初のスペイン史おさらいとかスペイン音楽の「特徴」などは、なくもがな(まあ、ぼくにとって、よい復習になりましたが)。いずれにせよ、学術的目的は全くない書物なので、これはこれでいいかな、と。しかし、ブランカフォルトやゲラルドについて、全く言及がないのは惜しい。

Evangelio según San Mateo, Cap.6



Por eso os digo: No andéis preocupados por vuestra vida, qué comeréis, ni por vuestro cuerpo, con qué os vestiréis. ¿No vale más la vida que el alimento, y el cuerpo más que el vestido? Mirad las aves del cielo: no siembran, ni cosechan, ni recogen en graneros; y vuestro Padre celestial las alimenta. ¿No valéis vosotros más que ellas?

2013年5月28日火曜日

Santa Maria del Mar

日曜日にサンタ・マリア・デル・マル教会に行った。「海の聖母」である。中世にはここがバルセロナ市街と海の境界であったらしい。海に関係する船員や港湾労働者などが帰依していた(彼らが実際に建設にたずさわったらしい)。バルセロナで一番古いゴチック建築だと言うこと。

ファサードを守る聖ペテロと聖パウロ。中は峻厳なカタルーニャ・バロック様式。やはりステンドグラスが美しい。

屋上までガイド付きで登ることが出来る。
なかなか高くてこわかった!(遠くにサグラダ・ファミリアが見えます。)



2013年5月24日金曜日

からす

今日、夕飯の時にあゆみが「ここにはからすがいないね」と言った。確かに!バルセロナでは、からすを見ない。その代わりに、色鮮やかな鸚鵡(?あるいはインコ?)が多く飛んでいる。これですが、これってなんでしょう?

ちなみにこれは先日グエル公園で撮ったもの。

2013年5月21日火曜日

Goigs と『聖書物語』

昨日のジローナ旅行でカテドラルの売店で「マリア讃歌集」を発見して購入したことを書き忘れた。Goigs Marians de la Catedral de Girona というもので、中には6葉の美しい彩色のある挿絵入りの歌詞と楽譜集である。そしてまた、家人が借りて来た樋口雅一『マンガ聖書物語(旧約篇)』(講談社文庫)読了。ばらばらに知っている物語が一直線に繋がる。しかし、旧約聖書は何と言ってもユダヤ民族の歴史なのだ、と改めて思う。そう言えば、ジローナでは旧ユダヤ人街、ユダヤ歴史博物館も見た。

ジローナ

昨日の日曜日は、ジローナまで遠足。高速鉄道でバルセロナから40分くらい。ちょうど「花祭り」の最終日で、街中は花で飾られていた。
オニャー川沿いの伝統的な建物。
そして、旧市街の中心にあるカテドラル。その前の階段も花で埋め尽くされていた。中に入るとステンドグランスの色が素晴らしい(特に、深い青や藍、緑の色合い!)




UAB

先週の木曜日に、UAB (Universitat Autònoma de Barcelona) で講義。コルテスさんの持っている修士課程のクラスで。セヴラックとケージとどっちがいいか、と訊いたら、学生たちは異口同音にケージがいいと答えたらしい。というわけで、ケージについての講義でした。最初は夕方四時半から二時間という話だったが、その後午後五時半からに変更、そして結局、実際には六時から始まったのであった。大学はバルセロナ北郊外にあり、カタルーニャ鉄道で町の中心から30分くらい。緑広がる広大なキャンパス。なかに小川が流れていて、この辺がカタルーニャの自然の原風景だ、とコルテスさんは言っていた。



2013年5月15日水曜日

風邪

バルセロナに来て、初めて発熱。頭痛、のどの痛み。そして、いづみも。というわけで、二人で今日は一日、ダウンの日でした。

2013年5月13日月曜日

Pessoa, Noventa poemas últimos

Fernando Pessoa, Noventa poemas últimos (1930 - 1935), Traducción y prólogo de Angel Crespo, Edición bilingüe, poesía Hiperión, Madrid, 2009. 読了。辞書を引き引きなので、もう一度読まなけりゃならないかな。最後の詩が英語なのが印象的だ。

2013年5月12日日曜日

『文学におけるマニエリスム』

グスタフ・ルネ・ホッケ『文学におけるマニエリスム』(種村季弘訳、平凡社ライブラリー)読了。途中まで読んで、日本からの引っ越し便に入れたので、やっと今頃になって届いたのであった。読み残した部分に音楽を扱った箇所が入っていたのだが、ここではストラヴィンスキー(と少しだけシェーンベルク)しか取り上げられていない上に、やはり踏み込んだ記述は皆無。残念ですね。あとはもちろんジェズアルドは出て来るけれど、音楽のマニエリスムと言ったらだれだろう。時代をさかのぼって、ケージ、ブレクト(だからフルクサス)、サティ、アルス・スプティリオル、マショー(最初が最後)とかオケゲム(何声のミサでしたっけ)、そう言えば、ホッケにはレトリズムは出て来ていたな。誰か、この系譜の本を書かないかな。

2013年5月8日水曜日

Albert Attenelle, Música callada de Frederic Mompou

ゆうべは、リセウ音楽院にアルベルト・アトネル氏のモンポウを聴きに行った。Música callada の全曲。素晴らしいホールに素晴らしい演奏。簡潔だが、彫りの深い。しかし(しかも)、ほとんど聴きに来ている人がいない、20人くらいだっただろうか。真ん中の真ん前の一番いい席で、ゆったりと。実に得した気分である。Attenelle 氏はリセウで教鞭をとっているらしいが(確かモンポウ・ピアノ曲全集を出しているマソ氏の先生だったと思う)、最近、この曲をCD化した。《ひそやかな音楽》は高橋悠治の演奏も聴いたが、彼は楽譜をぱらぱらとめくって、思いついたところを演奏する、という形だった。アトネル氏は全曲を最初から最後まで暗譜で演奏した。深さがある。高橋悠治ほどのピアニストだったらもちろん、この曲は簡単過ぎで、すぐそこで楽譜を見れば素晴らしい演奏ができる。しかし、ここに違いがある気がする。自分の身体の中に音楽が入っているかどうか、これは自戒の意味も込めて。

2013年5月7日火曜日

Gaudí, Album científico

先日行ったグエル公園でおみやげに買った『ガウディ、科学的アルバム』(と、訳すのでしょうか)読了。Juan José Lahuerta, Gaudí, Album científico, Triangle Postals, 2004. ガウディの作品を撮った当時の絵葉書を集めて、解説したもの。絵葉書は使われたものなので、その書簡の内容も書き写されている。ありがたいのは、カタラン語・スペイン語・仏語・英語の対訳付きであること。当時の人たちのごく普通の日常がガウディの絵葉書に書き記されているのが、興味深い。しかし、なかにはダリとかブルトンとかマン・レイとか、有名人のものもあり。こんな感じ。(これは載ってませんでしたが。)

2013年5月6日月曜日

Francesc Cortes 氏

ぼくを招聘してくれたバルセロナ自治大学のフランセスク・コルテス Francesc Cortes 氏と金曜日に会食。リセウ歌劇場の前で待ち合わせをし(今年の秋にはファリャの未完のオペラが上演されるらしい、楽しみ)、ゴチック地区の「観光客の行かない」レストランで食事。その後、カタルーニャ図書館に紹介してもらって、カードを作ったり、中を見学したりして(ここに大部分のモンポウ資料が保存されているのだ)、その後、いろいろと界隈を二人で散策。また、先週のその前には、月曜日に福島さんの紹介でビクトールさんのところに、ピアノを見に行って、そのままそれを購入。木曜日には家に運ばれてきた。ペトロフのアップライト、なかなかいい音色である。調律をしなくちゃね。

ダランベール『音楽理論と実践の基礎』

ジャン・ル・ロン・ダランベール『ラモー氏の原理に基づく音楽理論と実践の基礎』(片山千佳子・安川智子・岡本菜穂子訳、春秋社)読了。これは「お仕事」(秘)。考えさせられること多し。全くの素人だったダランベールが、ここまで書けたというのが、すごい!passion のありよう、ということか。

2013年5月1日水曜日

Parque Güell

5月1日はこちらでは休日。念願のグエル公園に行ってきました。
入り口のお伽噺のような建物。
中央階段を登って上に波打つベンチで有名な大きい広場があります。そこから下を見てみると。

それを横から見ると。
下にあるのが、市場になるはずだった、ギリシャ式の柱で支えられた大きな空間で、その天上にはさまざまなシンボルを表わすモザイク装飾が。これは一例。
中央階段の真ん中を水が流れていて、水の流れのもとが有名なトカゲ。これをスケッチ中のいづみ。
グエルとガウディによる理想都市の夢は、これが実現したら素晴らしいものとなったろうと思わせるものだ。そして、当時のヨーロッパの他の土地でもあった、さまざまな理想の共同体構想をも思い起させる。(イギリスの世紀末神秘思想関連の書物で読んだ気がするが、今思い出せない。うーんと何だっけ?もちろん、シュタイナー関係もありそうですね。)