2013年5月8日水曜日
Albert Attenelle, Música callada de Frederic Mompou
ゆうべは、リセウ音楽院にアルベルト・アトネル氏のモンポウを聴きに行った。Música callada の全曲。素晴らしいホールに素晴らしい演奏。簡潔だが、彫りの深い。しかし(しかも)、ほとんど聴きに来ている人がいない、20人くらいだっただろうか。真ん中の真ん前の一番いい席で、ゆったりと。実に得した気分である。Attenelle 氏はリセウで教鞭をとっているらしいが(確かモンポウ・ピアノ曲全集を出しているマソ氏の先生だったと思う)、最近、この曲をCD化した。《ひそやかな音楽》は高橋悠治の演奏も聴いたが、彼は楽譜をぱらぱらとめくって、思いついたところを演奏する、という形だった。アトネル氏は全曲を最初から最後まで暗譜で演奏した。深さがある。高橋悠治ほどのピアニストだったらもちろん、この曲は簡単過ぎで、すぐそこで楽譜を見れば素晴らしい演奏ができる。しかし、ここに違いがある気がする。自分の身体の中に音楽が入っているかどうか、これは自戒の意味も込めて。