2014年5月26日月曜日
奈良ゆみ、クルト・ヴァイル
先週土曜日は午前中にやっとバルセロナからの船便が到着。夜には奈良ゆみさんのクルト・ヴァイル「ベルリン、パリ、ニューヨーク」。この間にパリに行った時に弾かせてもらったもの。こうやって順序立てて聴くと、ヴァイルの変化がよくわかる。ベルリン時代は苦み走っていたものが、パリ、ニューヨークと移動するに連れて、その苦みが消えて行く。でも最後までそれが9の和音の形で残る。それであの《スピークロウ》のようなメロディが生まれたのだな。あの和声進行は素晴らしい。これがジャズのスタンダードになって、だからぼくが今のジャズを聴けるのもそこだし、モンポウなどが(あるいはフランス印象派が?)ジャズと比較されるのも結局、ヨーロッパ・オリジンなのだから当然、と思う。あの暗黒の時代のバルセロナで窮死したビニェスを思ったりした。