2010年12月22日水曜日

音楽の物象化

「ぶっしょうか」というのはすぐには変換されないのですね。それほどまでに、まだ市民権を得ていない言葉なのでしょうか。さて、音楽の物象化です。本日、大学研究所からCDへの出版補助申請を却下するというお達し。つまり、書籍などの出版助成では、まずその書かれたモノはすでに存在し、それを書物というモノにするのに助成金を与えるのである。しかし、CDの場合は、録音作業までが助成金申請されている。これはおかしい、と。CDの場合でも、もう「出版」されるモノがすでにあって、それをCDというモノにするのだったら助成金を出してやってもいいだろうが、という論理です。だから、結論は「却下」。しかし、音楽をやっている人間に言わせれば、それは音楽をモノ扱いしている。もちろん、CD録音というのは言わば音楽をCDというモノにしているのではあるが、その内容までは「まだ」モノとしては扱っていない。それを研究所の人間はそれまでをもモノとしろ、と言っているのである。いやはや。これは、また以前に書いた、インタビューの中の「音楽は人生そのものである」ということとダブるのだが、人生だってモノではないでしょう?それと全く同じ論理で、音楽は(時間の、それも時間芸術なのだから)モノではありえない。