2015年7月14日火曜日

『フランス・ルネサンスの人々』から

『フランス・ルネサンスの人々』から、心に残った言葉。
「《食うか食われるか》が、人間世界の実相だと言われます。しかし、こうした実相を浄化し、これから脱出しようというのが、人間の文化の歩みなのであってほしいと思います。現実は現実、実相は実相ですから、これを認めねばなりませんが、そこにあぐらをかいてしまうことは、人間であることを放棄する結果になりはしないでしょうか? 「人生は、つまるところ、金力・権力・色欲さ」と嘯く人々はたくさんいますが、それは、要するに、恥ずかしい人間生活の考察にすぎず、何らこれを打開する道を指示することにならぬということを考える人々は、決して多くはないでしょう。」
「現在でも、資本主義制度を批判すればアカということになりますし、共産主義制度を批判すれば反動と呼ばれて、批判する理由も立場も全く無視されて、都合のよい側から都合のよいように利用されやすいものです。」