2010年11月10日水曜日

サン=サーンス

菅野賢治『ドレフュス事件のなかの科学』によれば、エドゥアール・トゥールーズというサン=タンヌ精神病院医師が、さまざまな知的卓越者の「身体測定」を企てた中に、サン=サーンスもその候補者となっていたらしい。最終的にはエミール・ゾラとアンリ・ポワンカレだけが、実際にその対象となったにとどまったという。筆相学に始まり、頭蓋測定など「身体測定」によって、その人間の性質もわかるという思想が、最終的に「科学的」反ユダヤ主義のさまざまな要素の一つとなることをこの書は解明して行くのだが、なぜサン=サーンスなのか?もちろん、神童としてそのキャリアを始め、詩人でもあり、天文学、数学、絵画などにも秀でた、卓越した作曲家・オルガニスト・ピアニストであるから、当然なのだろうが。しかし……。ぼくは、彼の墓を見に行ったのだが、そこには「ユダヤの星」があったのを見たのだ。しかし、彼がユダヤ系だということは、どこにも見当たらない。要確認である。