2009年7月5日日曜日

Dahlhaus

Carl Dahlhaus, Realism in Nineteenth-Century Music (Cambridge U. P., 1982) の中に、プッチーニの《蝶々夫人》などは結局「リアリズムなのだ」、ただそれはヨーロッパ社会に対する批判としてのリアリズムである、と述べられている。現状批判としてのエグゾティスムというので、たとえばドビュッシーのエグゾティスムは「内面化」されたものだ、と昔論じたことがある(岩波の講座)が、これをその線で考え直してみることもできよう。