2011年4月24日日曜日

ジャネス承前

ジャネス『フェデリコ・モンポウ』再読了。原タイトルは「モンポウのひそやかな生活」なのだね。それを「ひそやかな音楽」と、音楽作品名と一緒にしちゃったので、何のひねりもきかなくなってしまった。訳者は熊本マリという人。ピアニストらしい。しかし、前に読んだチェイス『スペイン音楽史』もそうだが、アマチュアに毛の生えたような人たちが、よってたかってスペイン音楽研究をダメにしてしまっている感あり。濱田滋郎という人もいわばアマチュアだったようだが、他の人に比べてまだ学問的良心があったようだ……。少なくとも、フランス音楽研究やドイツ音楽研究の分野においてはこんなことは見られないと思う。こんなことを書いたからといって、例えば大学教授の書いたものが良くて在野のいわゆる「アマチュア」学者がダメだと言っているわけではありませんよ、念のため。問題なのは、精神の「構え」のようなものです。「誠実さ」と言い換えられるかな。